これから小学校受験を考えようという方から「保育園に通っていると受験は難しいでしょうか？」「私立女子校に入れたいのだが、４月から幼稚園に移った方がいいだろうか？」というご質問を受けました。
確かに、一部の人気校の受験では、保育園に通っていたり、お母様がお仕事をお持ちだと嫌われるという噂を耳にしたこともあります。このような噂をお聞きになってのご質問だと思います。
結論からお答えしますと、保育園に通っていようが、お母様がお仕事をお持ちだろうがいわゆる人気校に合格されておられる例はたくさんあります。保育園に通っていることやお母様がお仕事をお持ちの方も決してあきらめることはありません。
ただし、保育園の教育と幼稚園の教育の違いをしっかり認識なさって、良いところを伸ばし、足りないところを補う必要はあります。
一般的に、保育園の教育は個々の子供の好きなことをのびのびとやらせます。お絵かきの好きな子にはお絵かき、ボール遊びの好きな子にはボール遊び、絵本を読みたい子には絵本読み、という具合に、それぞれの好きなことを好きな時間だけやらせます。場合によってはお昼寝していてもいいわけです。一方、幼稚園の教育は集団教育が主体です。お絵かきの時間はみんなでお絵かきをします。ボール遊びの時間にはみんなでボール遊びです。
そして、小学校教育も集団教育です。「個性の尊重」を掲げておられる学校もありますが、あくまで「学校ルールの中での個性の尊重」です。お絵かきにいくら夢中になっていても、チャイムが鳴ると算数の時間になります。
ですから、小学校入試の課題には、協調性・社会性などをみるものも出題されます。保育園での生活が当たり前の生活になっていると、このあたりが難しいことになります。一方、生活力や集中力、自立心・弱者への対応などは保育園児の方が勝っている場合もあります。このような両者の教育の長所・短所をしっかり認識し、我が子の様子を観察し、その良さを伸ばし、足りないところを補えるかが、合否を分けることになると思います。ご家庭でそれができない場合には、幼稚園に変わられることも一つの選択肢だとは思いますが、絶対のものではないでしょう。
同じことが、お母様のお仕事にもいえます。お仕事をお持ちの為に、お子さんの子育てや躾に欠けているものがないかのチェックは必要でしょう。そして、それをどうカバーしていくかです。お仕事をお持ちでない方より、より多くの研究心と努力が必要なことは間違いないと思います。でも、諦めずに頑張っていただきたいと思います。
（2004年３月20日）
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